
甘味と茶のバランス
日本では、お菓子は単なるデザートではありません。
お茶とともに味わうことで、そこには穏やかなリズムが生まれます。甘さのあとに苦みが、静けさのあとに温もりが訪れる -- それは、年の瀬や新年を迎える、内省的なひとときにそっと寄り添うものです。

和菓子は、もともと単独で楽しむためのものではありません。古くからその役割は、特に抹茶と合わせることで、お茶の風味を引き立て、競い合うのではなく体験そのものを深めることにありました。何世紀にもわたって磨かれてきたこの関係性は、繊細さや節度、そして「今この瞬間」を大切にする、日本ならではの味覚の在り方を映し出しています。
抹茶と甘みの調和
抹茶は、草のような香りと旨味、そして寒い季節に体を温める余韻のある苦味を併せ持つ、奥行きのある味わいです。和菓子はその対比として存在しますが、決して主張しすぎることはありません。甘さは控えめに設えられ、抹茶の輪郭を和らげながらも、その個性をはっきりと残します。

冬の季節には、とりわけ東菓子(ひがし)が親しまれます。軽やかな口当たりと澄んだ味わいは、温かい抹茶と自然に調和し、後味を重くせず、すっとした余韻を残します。米粉や砂糖などの素材を用い、意図的に繊細に仕立てられた東菓子は、ほろりと崩れるものや、口の中で静かに溶けていくものが多く、季節を映す木型によって形づくられます。
和三盆の静かな洗練
東菓子の中でも、最も洗練された存在が和三盆を用いた菓子です。和三盆は、四国で育てられる在来種のサトウキビから作られる、伝統的な和菓子用の砂糖。そのきめ細やかさとやさしい甘みは、捏ねと洗いを幾度も重ねる丁寧な工程によって生まれます。雑味を取り除きながら、自然な奥行きを残す——そのための時間と手間が、この砂糖の魅力です。
抹茶と合わせることで、和三盆の菓子はその真価を発揮します。苦味をやわらかく包み込みながら、風味を覆い隠すことなく、抹茶の旨味と香りを静かに引き立てます。この繊細な調和があるからこそ、和三盆菓子は格式ある茶の席や年末年始のひとときに選ばれてきました。甘さがすっと消えたあとには、余白のような静けさが残ります。
季節を映す菓子
和菓子は、季節と深く結びついています。形や色、名前は一年を通して移ろい、花や風景、天候、そして行事から着想を得て生み出されます。この視覚的な表現は味わいと同じほど重要であり、お茶の時間を「今」という瞬間にしっかりと結び留めてくれます。
雪景色や静かな冬の風景、あるいは祝祭の穏やかな温もりに想いを重ねながら、和菓子は私たちに立ち止まる時間を与えてくれます。
静かな儀(ぎ)
抹茶とともに和菓子を味わうことは、歩みをゆるめること。
一つの菓子と、一服の茶——それだけで十分です。

この組み合わせは、ただの贅沢ではなく、注意深く味わうためのもの。食感や温度、香り、そして味わいが広がり、静かに消えていく様子に心を向ける時間です。甘さは声高である必要はなく、本当の満足は、しばしばシンプルな中に宿ります。
ゆっくりと向き合うことで、和菓子と抹茶は単なる嗜好品を超え、慌ただしい日常の中に、静けさと温もり、そして「今ここ」に立ち返る感覚をもたらす、小さな儀式となるのです。



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