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記事: 煎茶と深むし茶ってどう違うの?

From Light and Refreshing to Rich and Velvety: Discover the Two Facets of Japanese Green Tea

煎茶と深むし茶ってどう違うの?

なぜ、日本の緑茶の一杯は水晶のように透明で、もう一杯は深い、ほぼ不透明な緑色に輝いているのでしょうか?その秘密は蒸す工程にあります:これが煎茶深蒸し茶を区別するポイントです。この微妙な違いは、味、香り、見た目に際立った対比を生み出し、茶愛好家たちに一杯ごとに全く異なる体験を提供します。

軽やかで爽やかな一杯を好むか、濃厚でコクのある抽出液を好むかに関わらず、煎茶と深蒸し茶の違いを理解することは、完璧な選択をするのに役立ちます。以下で詳しく見ていきましょう!

煎茶の発祥

1738年、宇治湯屋谷の永谷宗円が、これまでの釜炒り製法や碾茶製法に工夫を重ねて、新しい煎茶製法である「蒸し製法」を編み出しました。摘んだ葉を蒸して殺青し、和紙を貼った焙炉の上で揉みながら乾燥させる製法で、これが現在の煎茶のはじまりです。

 

深むし茶の発祥

Shizuoka Plantation

深蒸し茶の発祥は、静岡県中部の牧ノ原台地とその周辺地域だと言われています。今では大きな茶園が広がっていますが、江戸末期までは、作物の育たない荒地でした。1868年に江戸幕府が崩壊し、明治維新によって、旧幕臣たちは職を失いました。駿府に移住した徳川慶喜の護衛隊200人などがお役御免となり、明治2年に中条景昭(ちゅうじょうかげあき)に率いられ、幕臣の救済策のひとつとして、当時未開の原野であった牧ノ原(現在の島田市・菊川市・牧ノ原市にわたる台地)の開墾を始めました。

しかし、荒地を開墾する作業はたいへんなものでした。慣れない仕事と出荷額の低迷や設備投資に耐えかね、元士族たちは次々と土地を離れていきました。それでも、まわりに住む農家の人たちも加わり、開墾は続けられました。

明治4年には造成した茶園は500ヘクタールに達しました。同じ頃、これまで橋をかけることが許されなかった、牧ノ原台地の東を流れる大井川に橋がかかり、川をわたる旅人の助けをしていた川越人足たちも職を失い、開墾に加わりました。

牧之原はやせた土地のため種を蒔いた後の生育が遅く、初めて少量の茶芽を摘採できたのは、明治6年のことでした。こうした昔の人々の苦労と努力が実を結び、現在の6000ヘクタールにも広がる牧之原台地の大茶園のもとがつくられたのです。 

しかし、ようやくできたお茶は、山間地の茶に比べて葉肉が厚く、渋みが強いため、消費地の好みに合わず、評価も低いものでした。そこで昭和30年代に、菊川市の茶農家により、蒸し時間を長くして渋みを抑えた深蒸し茶が作られたといわれています。

煎茶と深むし茶に含まれる栄養素

お茶に含まれる代表的な成分として、カテキン類、カフェイン、アミノ酸類があげられます。このほか、ビタミン類、ミネラル、食物繊維なども含まれています。これらの成分は、水に溶けるもの(水溶性成分)と水に溶けないもの(不溶性成分)とに分けられます。

 お茶に含まれる栄養素の70~80%は、お湯に溶けずに茶殻に残ってしまいます。煎茶と深むし茶に含まれる栄養素の違いはほとんどありませんが、深むし茶は茶葉が細かくなるため、通常は茶葉に残ってしまう食物繊維やβカロテン、ビタミンE、ミネラル(銅、亜鉛、マンガン)なども抽出されます。お茶の色が鮮やかな濃い緑色なのは、茶葉の微粒子が浮遊しているからです。深むし茶を飲まれるときは、ぜひ湯のみの底に溜まった茶葉も一緒に混ぜながらお召し上がりください。

煎茶の爽やかなエレガンスか、深煎茶の滑らかな深みか、どちらを好むにせよ、両方を味わうことは、日本の茶文化の真髄への旅です。次に一杯を淹れる際は、味覚と心に従って。間違った選択はありません -- 毎口ごとに新たな発見が待っています。

お気に入りの一杯を探しませんか?本物の煎茶深蒸し茶のコレクションを閲覧し、日本の風味をそのままあなたの茶器に届けましょう。

1 コメント

Great read! I never knew about Fukamushicha

Belle

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